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Using SambaRobert Eckstein, David Collier-Brown, Peter Kelly 共著第一版 1999 年 11 月 1-56592-449-5, 注文番号: 4495 416 ページ, 34.95 ドル |
8.3 国際化
Samba は限られた範囲ではあるが、様々な言語に対応することが可能である。標準の ASCII 以外の文字を扱う場合は、 表 8.3に列挙した幾つかのオプションが有用であろう。それ以外の場合このセクションは読み飛ばして構わない。
表 8.3: ネットワーク設定オプション(monyo訳注: これもミス?) オプション
パラメータ
機能
デフォルト
範囲
client code pageこのセクションで記述する
クライアントが用いるコードページ(code page)を設定する
850
グローバル
character setこのセクションで記述する
コードページを別の UNIX の文字セットに変換する
なし
グローバル
coding systemこのセクションで記述する
コードページ 932 をアジアの文字セットに変換する
なし
グローバル
valid chars文字列 (文字のセット)
廃止予定: 個別の文字をコードページに追加する。client code page を設定した後で用いる必要がある
なし
グローバル
8.3.1 client code page
Windows プラットフォームの文字セットを扱うのが、 コードページの本来の目的である。これらのコードページは、DOS や Windows のクライアントが小文字を大文字にマッピングする規則の定義に使われている。Samba は、グローバルな
clientcodepageオプションを用いることで、クライアントに対応するコードページを用いるために様々なコードページを用いることが可能になる。このオプションは、コードページを定義したファイルを読み込む。値は 表 8.4で記載された値をとる。
表 8.4: Samba 2.0 で有効なコードページ コードページ
定義
437MS-DOS Latin (米国)
737Windows 95 ギリシア語
850MS-DOS Latin 1 (西欧諸言語)
852MS-DOS Latin 2 (東欧諸言語)
861MS-DOS アイスランド語
866MS-DOS キリル文字 (ロシア語)
932MS-DOS 日本語 Shift-JIS
936MS-DOS 中国語 簡体字
949MS-DOS 韓国語 ハングル
950MS-DOS 中国語 繁体字
client code page は以下のようにして設定する:
[global] client code page = 852このオプションのデフォルトは 850 である。前述したものでは不十分な場合は、独自の SMB コードページを作成するために、Samba に付属する make_smbcodepage ツール(デフォルトでは /usr/local/samba/bin にある) を用いることができる。
8.3.2 character set
グローバルな
charactersetオプションは DOS コードページ(前述したセクション 8.3.1, client code pageを参照のこと)から、 米国以外で用いられている UNIX の文字セットにより表現される同等のものに、ファイル名を変換するのに用いられる。例えば、クライアントで用いる西欧の MS-DOS 文字セットをサーバで用いる西欧の UNIX 文字セットに変換する場合、設定ファイルに以下のように記述する:[global] client code page = 850 character set = ISO8859-1
clientcodepageオプションは、変換元の文字セットの設定を行う必要がある。Samba 2.0 が認識する適切な文字セット(とそれが適合するコードページ)を 表 8.5に挙げる:
表 8.5: Samba 2.0 が認識する文字セット 文字セット
対応するコードページ
定義
ISO8859-1
850西欧 UNIX
ISO8859-2
852東欧 UNIX
ISO8859-5
866ロシアのキリル文字の UNIX
KOI8-R
866もう一つのロシアのキリル文字の UNIX
通常、
charactersetオプションは完全無効になっている。8.3.3 coding system
codingsystemオプションはcharactersetオプションと似ている。ただしこの目的はどのように日本語の Shift JIS コードページを適切な UNIX の文字セットに変換するかを決定するものである。このオプションを用いる場合、前述したclientcodepageオプションは 932 に設定されている必要がある。Samba 2.0 が理解する適切な coding system の一覧は 表 8.6にある。
表 8.6: Samba 2.0 における有効な coding system 文字セット
定義
SJIS標準的な Shift JIS
JIS88ビット JIS コード
J8BB8ビット JIS コード
J8BH8ビット JIS コード
J8@B8ビット JIS コード
J8@J8ビット JIS コード
J8@H8ビット JIS コード
JIS77ビット JIS コード
J7BB7ビット JIS コード
J7BH7ビット JIS コード
J7@B7ビット JIS コード
J7@J7ビット JIS コード
J7@H7ビット JIS コード
JUNETJUNET コード
JUBBJUNET コード
JUBHJUNET コード
JU@BJUNET コード
JU@JJUNET コード
JU@HJUNET コード
EUCEUC コード
HEX3バイトの16進数コード
CAP3バイトの16進数コード (Columbia Appletalk Program)
8.3.4 valid chars
validcharsオプションは昔からの Samba の機能であり、コードページに個別の文字を追加する。ただし、このオプションはより洗練された coding system の登場に伴い、廃止されようとしている。このオプションは以下のようにして利用する:valid chars = ホ valid chars = 0450:0420 0x0A20:0x0A00 valid chars = A:a設定された各行の文字は、スペースで区切る必要がある。コロン(:)が二つの文字、もしくはその数値表記の間にあった場合、コロンの左が大文字で、右が小文字になる。文字を表現するには、(入力可能なら)そのまま入力してもよいし、8進法、16進法、あるいは10進法の Unicode 表記を用いることもできる。
このオプションは利用しないことを推奨する。代わりにこのセクションで記述した標準的なコードページのどれかを用いてほしい。このオプションを利用する場合は、文字を追加したいと考えている
clientcodepageオプションを記述した後にこのオプションを記述すること。さもなくば、文字は追加されない。
© 1999, O'Reilly & Associates, Inc.